というわけで、新たにこんなテーマを掲げてみました。よくもまあラルクばっか書きまくってるなコイツとお思いでしょうが、好きなものを好きなだけ書き留めておくブログですのでお許しください。
‘’その1‘’としたのには理由がありまして、ラルク、ことhydeさんはですね、歌詞のテーマというかコンセプトというかにかなりの振れ幅があるのです。お好きな方はご存じかと思います。ファンタジックなものから信仰的なもの、可愛らしいラブソングから狂気的なラブソングまで、とてつもない数の物語を持って生まれてきた方なのです。いい方変ですみません。もちろん、hydeさん以外のメンバーも、少しばかり作詞に参加されている曲はございます。
そんなこんなで、今回はhydeさんの象徴とも言える、「比喩に比喩を重ねた」幻想的なストーリーが詰まった曲を集めてみました。その中でも特に、私が個人的に感銘を受けた曲をいくつかご紹介します。
「In the Air」
目を閉じた君は
背に刺さったナイフを羽に似せ
今、大地を蹴る
空は果てしなく澄み切った青をたたえる
果てしなく・・・果てしなく
こんな出だしから始まる「In the Air」は、最後まで解釈に悩むような比喩表現が溢れています。アルバム「Tierra」の名曲ですが、この曲の世界観がアルバムのストーリーを決定づけていると言ってもいいくらいの、不思議な引力を持った歌詞が特徴ですね。意味深にも取れる表現が多く、映画のワンシーンのような画が浮かびます。「理想」と「現実」の間で葛藤しているようにもとれる歌詞ですが、聴く人の想像力をかき立てるショートフィルムのような言葉たちがとても美しいです。
いばらの涙
天が舞い降りて悪戯にたのしむのか?
全てが平伏すまで
荊にまみれたこの血が枯れ果てても
貴方への心を抱いて
まさにhydeさんな一曲として、このブログでもご紹介したのが「いばらの涙」。タイトルからしてただものじゃない感じ。絶望してもなお、祈る気持ちを忘れられない切なさがある歌詞ですね。曲自体もかなり力強いロックな印象です。Aメロ、Bメロの静けさとサビの激しさの対比が歌詞ともよくマッチしていて、ギターソロでさらに曲の世界に引きずり込まれます。とても孤独な言葉選びではありますが、絶望に屈しない力強さも感じるドラマティックな歌詞です。
Inner Core
歪められて浮遊する現世浸すその声に
隠せぬ戸惑いを笑う彼は私なのか
Where is my body where is it?
hydeさんが元メンバーのsakuraさんの持つ世界を、自分なりに表現したとおっしゃっていたこの曲。歌詞はかなり暗然たる、鬱屈した言葉が多いのではないでしょうか。私はsakuraさんのことはほぼ知らないに等しいのですが、この曲を聴いた時になんとなくですが知りえた気分になりました。彼の掴みどころのない人間性を表しているのだとしたら、かなり秀逸な表現ばかりだと思います。
NEO UNIVERSE
生まれ変わる季節よ
切なすぎた季節よ
空のように一つに
結ばれよう neo universe
透明感のある、綺麗な表現の曲もひとつ。「NEO UNIVERSE」は本当に感動しました。「空のように一つに」は、体に電気が通ったくらい衝撃的な表現でした。そんなこと思いもつかなかったよと、中学生だった当時は思ったものです。空が繋がってるのなんて当たり前のことすぎて、それをあえて言葉に起こすというのが素敵だなぁと感じましたね。出てくる言葉のすべてが尊い曲というのも、めずらしいものです。
花葬
ばらばらにちらばる花びら 雫は紅
欠けた月よ廻れ 永遠の恋をうつし
これも素晴らしい表現力ですよねー!hydeさんはほんと、詩集を出せるくらいの美しい語彙力の持ち主です。出てくる単語は全く難しくもないのに、この言い回しの艶やかさはなんなのでしょうか。「死」というものを、ただただ美しいものかのように表現されていて、そりゃあ死のテーマをリクエストしたkenちゃんも驚きますわね。世の中にある‘’死‘’の曲の中でも、かなり傑出した作品だと思います。
ガラス玉
こぼれてゆく吐息はガラス玉
たくさんの光り集め舞い上がってく
words into the silence
月はそっと波をゆらすけれど
いや、月が波を揺らすってそんな馬鹿な。と思いつつも、これが海に沈んでいく人の視点であるとしたならば、かなり秀逸で美麗な表現でございます。この歌詞の解釈は諸説ありますが、それを抜きにして言葉の並びだけを見ていくと、とてつもない透明感と共に静寂の中へ引き込まれるようですね。大好きな名曲です。
と、ほんの一部ではありますが、私の記憶に色濃く残っている6曲をご紹介しました。他にもたっくさんありますが、どれもこれもhydeさんの常人ならぬ言葉選びが光っておりますね。最近少ないようにも思いますが、意味を推測するのが難しい曲が多いのがラルクらしさです。小説のような、映画のような物語が、きっとファンの心を惹きつけるひとつの要因。ちょっと書いてて思ったのですが、‘’hyde x ken‘’の相性の良さが今回の歌詞のテーマでは際立っていたなと。kenちゃんのサントラサウンドに、hydeさんがピッタリな歌詞をつけすぎです。尊敬します。好きです。笑
他のテーマでもこのシリーズはもう少し書いてみようかと思っておりますので、またお付き合い頂けたらと思います。まだまだ名曲が続きますよー!